2000年問題に関するニュースが増えてきましたね。いくつか問題も起きてきたようです。ところで,サイテックジャーナル10月29日号で2000年問題に関する政府の発表に関して紹介しましたが,明日12月3日から,小渕首相が自らテレビで2000年問題ついて広報活動をするそうです。30秒間の政府広報スポットとして民法各社で放送されます。どんな内容なのか楽しみです。
■コンビニ受取コンビニ決済
サイテックジャーナル11月2日号で「イー・ショッピング・ブックス」について紹介しました。イー・ショッピング・ブックスは書籍のネット通販を行う会社で,注文した商品をコンビニエンスストアで受け取り,その場で料金を支払うシステムを採用しています。このイー・ショッピング・ブックスが,予定通り11月24日に営業を開始しました。最近はテレビでも宣伝されているようです。早速利用してみましたのでレポートします。
■勝手に事前準備
コンビニ受取コンビニ決済の利用については気になる点がいくつかあるのですが,最も興味があるのは,商品を受け取るコンビニをどうやって指定するかという点です。イー・ショッピング・ブックスで利用できるコンビニはセブンイレブンなので,おそらくホームページにセブンイレブンの店舗名(セブンイレブン○○店)リストが表示されて,その中から選択する方法ではないかと思います。
しかしみなさん,近所のコンビニの正確な店舗名を知っていますか。私にとってコンビニの店名は,セブンイレブンであったりファミリーマートであったりするわけで,セブンイレブン○○店というところまで意識したことはありません。実際今回商品を受け取りたいと考えている近所のセブンイレブンについても,店舗名は知りません。これでは指定できない。そこで,指定しようと思っているセブンイレブンで買い物したときにもらったレシートを手元に用意しておくことにしました。このレシートには,もちろん正確な店舗名が書いてあります。これで店舗の指定も大丈夫でしょう。さあ,アクセスです。
■まずは入会手続き
イー・ショッピング・ブックスのホームページにアクセスします。イー・ショッピング・ブックスは11月24日が営業開始日です。私がアクセスしたのが24日午前0時12分(せっかちですみません)。まだ営業は始まっていないと思っていましたが,ちゃんと開店していました。しかも,先着1111名様にオープン記念のブックカバーがプレゼントされるとのこと。早速購入しましょう。
本を買う前に入会手続きをします。このあたりはサイテックジャーナル11月9日号などで紹介した,ファンケルと同じです。ちなみに,商品(本)の検索は入会手続きをしていなくても行うことができます。この検索だけでも結構楽しめます。また,検索してみて自分が購入しそうな本の在庫を確認した後,入会手続きを行ってもよいかもしれません。
ホームページの「入会手続き」ボタンをクリックします。会員には一般会員とゴールド会員の2種類があるようで,その違いが表示されました。どちらも無料なので,機能の多いゴールド会員を選択することにします。会員規約を読み,ゴールド会員を指定して「同意します」ボタンを押します。
すると,名前や住所を入力する画面が表示されたので,それぞれ入力していきます。IDとパスワードも決めて入力します。この画面には,クレジットカード番号を入力する項目があります。このイー・ショッピング・ブックスは,個人的にコンビニ受取コンビニ決済という点で注目しているのですが,従来と同じ,クレジットカード決済,宅配便による配送という購入方法も利用できます。だからクレジットカード番号を入力する項目があるのです。また,クレジットカード番号は16桁すべてを入力するのではなく,上12桁のみを入力するようになっています。購入時に下4桁を入力すればよいというシステムです。一度に全桁の番号を入力するよりは安全だと思います。私の場合はあくまでもコンビニ受取コンビニ決済にこだわっているので,ここではクレジットカード番号は一切入力しませんでした(それでもちゃんと先に進めました)。入力し終わったら,画面の指示に従って「確認画面へ」ボタンを押し,内容を確認して入会手続きを完了します。
入会手続き後,すぐに「e-Shopping Information
会員登録およびセキュリティナンバーのお知らせ」というメールが届きました。セキュリティーナンバーは最初にショッピングするときに入力するもので,2回目からは不要とのことです。ファンケルのときもそうでしたが,このように確認のメールが来るシステムだと,ちゃんと入力できたことが分かって安心できます。
■Let's shopping
さあ購入です。イー・ショッピング・ブックスのホームページから「ショッピング」を選択します。画面の指示に従って,ID,パスワード,セキュリティナンバーを入力します。すると購入のためのページに入ることができました。
まず,購入する本を検索します。「商品検索」ボタンを押すと「かんたん検索」の画面が表示されました。書籍名,著者名,出版社のいずれか,またはいずれかの一部が分かっている場合は,ここに分かっているキーワードを入力して検索できるようです。私の場合は,買いたい本の著者名が分かっていたので,これを入力しました。
すると,入力した著者が書いた本のリストが表示されました。リストの書籍名をクリックすると,その書籍に関する情報とともに,在庫冊数が表示されました。今回購入したい本は在庫があったので購入できます。「ショッピングカートに入れる」ボタンを押しました。
すると,「ショッピングカートとの確認」の画面が表示され,選んだ本と料金が表示されました。ショッピングカートに入れただけでは買ったことにはなりません。このあたり実在の店で商品を買う場合と同じですね。そして実在の店と同じようにレジに向かうため,「レジへ進む」ボタンを押します。
すると,「商品受取方法のご選択」画面が表示されました。いよいよ受け取り方法の選択です。「セブンイレブンで受け取る」か「ヤマト運輸で配送する」のどちらかを選択します。もちろんここは迷わず「セブンイレブンで受け取る」を選択します。
選択ボタンを押す前に,この画面に「配送料金について」という表示があるので,それをクリックしてみました。すると配送の料金表が表示されました。今回は1,500円の本を1冊買うのですが,その場合の料金は,セブンイレブン留置料100円と,セブンイレブン代金収納手数料100円の合計200です。ちなみに同じ本を自宅に配送してもらった場合のヤマト運輸配送手数料は380円。本の金額や冊数によって変わってくるようですが,今回は宅配よりもコンビニ受取コンビニ決済のほうが安くなります。さあ,「セブンイレブンで受け取る」ボタンを押して,いよいよ受け取る店の指定です。
■勝手な準備は勝手な準備
「セブンイレブン店舗決定」の画面が表示されました。えっ!。す,すごい。なんと私の家の近くの地図が表示されました。その地図の中にはセブンイレブンの位置を示すマークが2つあり,マークにはそれぞれ,1,2,と番号がついています。どちらかの店を選べるようです。セブンイレブンの住所や店舗名なんて準備する必要はなかったのです。しかし,地図が表示されるとはびっくりしました。夜中にもかかわらず思わず「えっ!」と声が出てしまいました。
2つあるセブンイレブンのマークのうち,受け取りたい店のマークをクリックしました。すると,そのセブンイレブン周辺の拡大地図が表示されました。これでしっかり確認できます。「このセブンイレブンで受け取る」ボタンを押しました。
すると,「ご注文のご確認」画面が表示され,商品名と料金が表示されています。料金は,商品代金と取り扱い手数料,消費税の合計で1,710円でした(本は税込み1,500円)。確認してお買い上げボタンを押します。
「ご注文完了」の画面が表示されました。ここで「払込依頼票の表示」ボタンを押すと,「インターネットショッピング払込依頼票」が表示されました。コンビニの商品についているバーコード等が表示されています。これをプリントアウトしてコンビニに提示して商品を受け取るようです。プリントアウトせずに,表示されている払込票番号を伝えて受け取ることもできるようです。早速プリントアウトしました。
■確認のメール
注文を完了すると,すぐに注文確認のメールが届きました。このメールに「商品のお届けは、地域により多少違いがありますが、お客様ご入金後通常約3日〜5日です」という記載がありました。今回はコンビニ受取コンビニ決済なので入金後ということはありえないのですが,おそらく注文後約3日〜5日ということなのでしょう。
そして注文した当日(24日)の午後11時59分(注文を完了したのは午前0時30分頃)。発送のお知らせのメールが届きました。以下,このメールの転載です。なお,ご注文番号,払込表番号の「x」は私が書き直したものです。実際のメールでは数字になっています。
平素は、イー・ショッピングをご利用いただき誠にありがとうございます。
お客様のご購入いただきました商品を、下記の通り発送いたしましたことを、ご連絡申しあげます。
///ご注文日:1999/11/24
///ご注文番号:00000xxxxx
///受取方法:%%pmt_nm
///支払方法:セブン−イレブン代引
///発送日:1999/11/26
///店舗到着予定日:1999/11/26
///払込票番号:xxxxxxxxxxxxx
まだ24日なのに発送日26日ですでに発送したとか,受取方法が意味不明の文字になっているとか,多少おかしいと思われる点もありますが,とにかく,26日には指定したセブンイレブンで受け取ることができるようです。楽しみです。
■商品を受け取る
そして迎えた26日。この日はお客様の忘年会に誘われ,つい遅くまで飲んでしまいました。終電も終わってしまい,すっかり酔っ払ってしまった私はタクシーで帰ることになったのですが,この日を待ち望んでいた私の鞄の中には,当然プリントアウトした「インターネットショッピング払込依頼票」が入っています。指定したコンビニの前でタクシーを降りました。
店に入り,払込依頼票を見せて「これ受け取りに来たんですが」というと,店員さんが小包を持ってきました。そして払込依頼票のバーコードを読み取り,お金を払って受け取りのサインをして,商品を受け取りました。受け取りと決済はこれで終わりです。
早速家に帰って小包を開けたところ,ちゃんと注文した本が入っていました。そして本といっしょにイー・ショッピング・ブックスのロゴが入ったオープン記念のブックカバーが入っていました。
■現時点で最高の方法か
以上が今回体験したコンビニ受取コンビニ決済によるネット通販の実際です。私にとってこのコンビニ受取コンビニ決済は現時点で考えられる最高のネット通販です。安全性と利便性の2つ点で非常に優れている方法だと思います。
サイテックジャーナル11月2日号にこのような表を載せました。
危険度大(上級者向け) | 危険度小(初心者向け) | |
商品選び | あまり知られていないショップで選ぶ ホームページだけで選ぶ 見たことがない商品を選ぶ |
有名なショップで選ぶ 実際の店で見たことがあるものを選ぶ 以前買ったことがある商品を選ぶ |
支払方法 | 先払い クレジットカード決済 |
後払い 着払い |
これは,消費者側から見たネット通販の危険度(=判断力の必要性)をあらわしたものです。コンビニ受取コンビニ決済は,商品受取時に代金を支払う,クレジットカード番号を入力する必要がない,という点で,最も安全な購入方法の1つに該当します。
利便性ですが,セブンイレブンが近くにある人にとってはかなり便利な方法です。24時間いつでも取りに行くことができるのです。公共料金をコンビニで支払うことができるようになってから,その利用者が急増しているようですが,これと同じで,好きなときに受け取りに行くことができるということは非常に便利です。今回のように,夜遅く(朝早く!?)まで外で飲んでいてもちゃんと受け取ることができるのです。また,商品を受け取るセブンイレブンは自宅の近くでなければならないわけではありません。自宅の近くにない場合は,職場や,通勤の途中にあるセブンイレブンを指定することもできるのです。便利です。
今回,商品を注文して3日後には商品を受け取っていました。遅くまで飲んでいなければもっと早く受け取ることができたでしょう。手数料もたったの200円でした。どこの書店でも平積みされている本ならともかく,ちょっと探さなければならないような本を買う場合には,かなり便利な方法かも知れません。
今回は簡単に紹介させていただきましたが,このイー・ショッピング・ブックスのホームページには,もっとたくさんの情報や機能があります。話題の本や新刊に関する情報など,見るだけでも楽しめるものもあります。ぜひアクセスしてみることをお勧めします。
以前から気になっていたコンビニ受取コンビニ決済を実際に利用してみて,そのメリットをしっかり実感できました。このコンビニ受取コンビニ決済のシステム自体が商品になり,ネット上に店を出そうと考えている個人等が利用できるようになると面白いかもしれません。そうなると,現在ネット通販で起こっている料金を支払ったのに商品が送られてこない等というトラブルもなくなり,ネット通販全体の信頼性が高くなります。そうなるとますますネット通販が拡大していくことでしょう。
いずれにしても,間違いなく広まっていくネット通販,これからも目が離せません。
Written by 大坪 和久