サイテックジャーナルの発行間隔が開いてしまいました。どうしたの? というメールを何人かの方からいただきました。ありがとうございます。掲示板の方にはちょくちょく書き込んでいますので,そちらもぜひのぞいてくださいね。
今回は,インターネットで特許公報を見るというお話しです。特許に関係していない人にとってはあまりおもしろくない話題かも知れませんが,たまには全く知らないことに触れてみるのもいいものです。気軽に読んでみてください。
特許公報とは特許の内容が書かれているもので,各国の特許庁が発行しています。特許の内容を見たいときには,この特許公報を特許庁や専門の業者から購入します。日本の場合,特許庁の中にある特許資料室に出かけて,そこで見たりコピーすることもできます。
従来はこれらの方法だけだったのですが,最近は,インターネットを利用して,自宅や会社などから自由に特許を検索したり表示や印刷することができるようになっています。その場合は特許庁などにお金を払う必要はありません。無料です。しかもその場ですぐに欲しい情報を得ることができるのでとても便利です。
このインターネットを利用した特許公報の閲覧。操作自体は簡単なのですが,場合によっては公報を表示するためにパソコンにソフトをインストールする必要があるなど,ちょっとした工夫が必要です。そこで今回,アメリカの特許庁にアクセスして,特許公報を見る方法を説明します。
まず,米国特許庁にアクセスし,トップ画面の左側のメニューからSearchable Databasesを選択し,続いて一番上のPatent Full-Text Database with Full-Page
Imagesを選択します。この画面でみたい特許を検索をする方法を指定します。今回は,見たい特許の特許番号を直接指定することにしますので,画面左側のFull-Text
DatabaseからPatent Number Searchを選択します。
この画面で,Queryに見たい特許の番号を,下に表示されている例に従って入力します。今回は,掲示板で紹介した,雑誌に載っていたゴルフのパットの方法に関する特許を見てみましょう。特許番号は「5,616,089」です。この番号をQueryに入力し,「Search」ボタンを押します。
すると,このような検索結果が表示されます。
PAT. NO. Title | |
1 | 5,616,089 Method of putting |
見たい特許が見つかりました。それでは見つかった特許の中身を見てみましょう。表示された検索結果の特許番号をクリックします。すると特許公報の全文が表示されます。これで特許の内容を知ることができます。楽勝ですね。
ところで,特許公報には文字だけではなく図面も含まれています。図面を見ると特許の内容をより素早く正しく理解することができます。特に外国の特許の場合は,図面の威力は絶大です。しかし上の特許公報の全文では,図面が表示されていません。実は今回見ようとしている特許は,図面を見れば一発と言っていいほど図面が重要なのです。特徴がパターの握り方ですから。図面の効果を実感したい人は,ここで文字だけ読んでどのような握り方なのか想像しておいてください。
それでは図面も見てみましょう。表示されている特許公報の全文の画面の上の方に,青いボタンがたくさん並んでいます。その中に「Images」というボタンがあります。それを押してください。すると,図面も含まれている紙の公報がそのまま表示されます。あとは画面左側にあるSections:から好きなセクションを選んで表示したり,→ボタンなどを押してページを進めたり,「Go to page:」に見たいページ番号を入力してジャンプすることができます。印刷だってできます。便利ですね。想像していた握り方は図面の握り方と一致していますか。比べてみてください。
というようにうまく表示できた人はいいのですが,多くの人は表示できなかったのではないかと思います。表示するためには,使っているパソコンに,表示するためのソフトがインストールされている必要があります。インストールされていないパソコンでは表示できません。
それではソフトをインストールして図面を表示してみましょう。
(その2につづく)
Written by 大坪 和久
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