今日は平成11年11月11日。1が6つ並ぶ特別な日です。郵便局には行列ができていましたし,いろんな催し物もあったようです。帰りに駅で入場券を買った人も多いのではないでしょうか。また今日の11時11分11秒は1が12個も並んでしまいます。この時間にあわせてホームページ上で特別な情報を流すとアナウンスしていた会社があり,一時はそのホームページを開くことができなくなるくらいアクセスが集中していたようです。学校や職場でじっとデジタル時計をながめてそのときを過ごした人もいたことでしょう。
ウイルス発生!!
また新しいウイルスが広まっているようです(記事はこちら)。「バブルボーイ」と呼ばれているもので,電子メールで感染するウイルスです。日経新聞11月11日付夕刊にも記事が載っています。
このウイルスの特徴は,添付ファイルを開かなくても感染してしまうことです。今までも電子メールで感染するウイルスはありました。例えばサイテックジャーナル10月5日号では,マイクロソフトの名を語る偽メールを使ったウイルスを紹介しました。このウイルスも含めて,今までのウイルスは,いずれもメールに添付されたファイルを実行することによって感染するものでした。言い換えれば,添付されているファイルを実行しないかぎり,つまりメールを読むだけでは感染することはなかったのです。従って,サイテックシステムでも,「メールに添付されてきたファイルは,むやみに実行しないようにしてください」と注意を呼びかけてきました。
受信トレイの中のメールを選択するだけで感染
しかし,今回のバブルボーイには,今までの常識は当てはまりません。メールを見るだけで感染してしまうのです。バブルボーイは,「アウトルック・エクスプレス」や「アウトルック98」,「アウトルック2000」など,マイクロソフト社製のメールソフトで感染します。これらのメールソフトでは,メールを受信すると,届いたメールのリストが受信トレイに表示されます。表示されたリストの中のメールを選択すると,画面の下側にメール本文が表示されます。バブルボーイは,この時点,つまりリストの中のメールを選択しただけで感染してしまうのです。
このウイルスに感染すると,パソコンに登録されているユーザー名や会社名が勝手に変更されたり,メッセージが表示されたりします。さらに,感染したパソコンのアドレス帳に登録されている人のアドレス宛に,ウイルスが送信されます。今年の春にはやった「メリッサ」というウイルスも同じようにアドレス帳を使って感染するウイルスだったのですが,一気に広範囲に広まってしまいました。
今のところ,被害はアメリカで起きているようでしたが,日本に上陸するのも時間の問題かも知れません。上に挙げたマイクロソフト社製のメールソフトを使っている人は注意してください。
メールを見るだけで感染するウイルスが出てきました。外部とデータをやりとりする人,インターネットに接続している人(メールの利用,ホームページの閲覧をしている人)は,ワクチンソフトの導入など,ウイルス対策をとることが重要です。
このホームページを見ている人は当然インターネットに接続しているわけですが,あなたはウイルス対策ちゃんとしていますか?。
Written by 大坪 和久