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WORLD PC EXPO 99見学レポート
 前編 パソコンのデザイン
 後編 パソコンで音楽を


 幕張メッセで行われているパソコンショー「WORLD PC EXPO 99」に行って来ました。このショーは,パソコンやパソコンに関する様々なものが展示されるショーです。ショーの内容につきましては公式サイトをご覧ください。こちらにはショーの現地レポートも載っています。

 一般的に今回のショーで注目されているものは,本邦初公開のマッキントッシュのiBook,マイクロソフトのWindows 2000,NTTドコモのPHS内蔵ノートパソコンなどでしょう。他にソニー,松下電器の新型ノートパソコン,各社のデジタルカメラ,ソニーのMD内蔵パソコンなども注目されているようです。

 これらショー全般については公式サイトのレポートを見ていただくとして,ここでは私が気になったものを,前編,後編の2つに分けて紹介します。


前編 パソコンのデザイン

 今回のショーでは,実に様々なデザインのパソコンが目につきました。その一部を紹介します。なお,掲載した写真はすべて出展者の許可を得て撮影したものです(写真はクリックすると拡大されます。ブラウザの戻るボタンで元に戻ります)。

 左の写真は,サンクンインターナショナルという台湾の会社が出展していたパソコンです。色は最近流行のカラフルな配色ですが,特徴は配色よりもその形です。写真ではわかりにくいかも知れませんが,奥行きが9センチしかありません。
 こちらはNECのパソコンです。左の写真が正面から見た写真,右の写真は裏から見た写真です。液晶ディスプレイのように見える物は単なるディスプレイではありません。これが本体です。この中にCPUやハードディスクが入っています。このディスプレイのような本体と,左の写真に写っているキーボードなどで1つの製品です。他に筐体はありません。
 これは東芝のパソコンです。このパソコンも液晶ディスプレイのような本体とキーボードで構成されています。左の写真はパソコン使用時の状態です。パソコンを使用しないときは,右の写真のようにキーボードを収納することができるので,机の作業スペースを確保することができます。

 パソコンが占有するスペースは大きな問題です。昨年のショーでは液晶ディスプレイが多く出品されていました。CRT(テレビ型のディスプレイ)を液晶ディスプレイに変えるだけでも占有スペースを小さくすることができます。しかし今年はさらに一歩進んでいました。パソコンのデザインそのものが見直されているようです。ここで紹介したもの以外にもいろんなデザインのパソコンが出展されていました。変わったものでは引き出しパソコンというものもありました。

 今までパソコンというと,どのメーカーのものも四角い箱と大きなディスプレイというデザインが多いようでしたが,これからは様々な形のものが出てくるでしょう。今のパソコンからは想像もつかないような,実用性も優れたすばらしいデザインが潜んでいるかも知れません。どんなデザインのパソコンが出てくるか楽しみです。


 このレポートに対する問い合わせ等は,サイテックシステム 大坪までお願いします。


後編 パソコンで音楽を

 「パソコンで音楽を」といっても,今回はパソコンを使って演奏する話ではありません。パソコンを使って音楽を聴くという話です。ウォークマン等のポータブルプレイヤーでカセットテープやCD,MDを聞いている人も多いと思います。このポータブルプレイヤーに最近新しい動きがあります。カセットテープ等を使わず,半導体メモリに音楽を録音し,それを専用のポータブルプレイヤーで再生するというシステムが出てきているのです。

 音楽の録音はパソコンを使って行います。パソコンのCD-ROMドライブに音楽用CDをセットし,録音用ソフトウェアを使ってCDに記録されているデータを所定の形式のデータに変換します。変換したデータをプレイヤーに転送します。プレイヤーはこのファイルを再生します。このシステムでは,カセットテープなどを使わないので非常に小さく軽いプレイヤーを作ることができます。またメカ的な部分がほとんどないので振動にも強く,音飛びは生じません。

 この新型プレイヤーでは,音楽は単にパソコンで扱うファイルの1種類でしかありません。ワードの文書ファイルをコピーするように簡単にコピーができてしまいます。従って著作権の問題が発生する可能性があり,米国では訴訟も起きたようです。そのため大手メーカーは参入しにくかったようですが,著作権を保護する技術が研究され,ここにきて一気に広まりそうな気配がしています。

 ショーでは多数のプレイヤーが展示されていました。その中のいくつかを紹介します。なお,掲載した写真はすべて出展者の許可を得て撮影したものです(写真はクリックすると拡大されます。ブラウザの戻るボタンで元に戻ります)。

 株式会社ハギワラ シスコムが出展していたプレイヤーです。この写真では見えませんが,液晶ディスプレイには曲名やアーティスト名などが表示されます。アルファベットだけではなくカタカナも表示されていました。重さはバッテリーを含んで52gだそうです。ちなみに手のモデルはハギワラ シスコムのコンパニオンです。ご協力ありがとうございました。
 株式会社アイ・オー・データ機器が出展していたプレイヤーです。ディスプレイがない分,上のプレイヤーよりは小さくなっています。重さを確認するのを忘れてしまいましたが,本体裏側にあるクリップでポケットにとめられるくらいの重さ(軽さ?)です。マイクがついており,ボイスメモ機能を搭載しています。値段は1万9千円です。ちなみに手のモデルは私です。美しくない手ですみません。


 先に書いたように,このシステムでは音楽は単なるファイルです。コピーもできますしインターネット経由で送ることもできます。わざわざ店にCDを買いに行かなくても,インターネット経由で音楽を手に入れることができるのです。最近ときどき新聞にも載っていますが,新たな音楽流通システムが登場しそうです。大手企業も参入してきているようです。

 また,誰でもインターネットで音楽を発信することもできます。今までは簡単にCDを出すことはできませんでした。もちろん自主制作という手段はありましたし,中にはパソコンとCD-Rドライブを使って,自分でCDを焼く,なんて人もいました。しかしCDという「物」を扱う以上,どうしても流通システムが必要になります。これはなかなか個人で簡単にというわけにはいきません。しかしインターネットを使って,ホームページを作ってそこで自分の音楽を発表する,なんてことは簡単にできてしまうのです。今まで自主制作などでごく限られた人にしか聴いてもらえなかったものが,一気に世界に向けて発信できることになるのです。

 音楽の流通だけではなく,作成者による音楽の発信方法も変わってくる。となると音楽自体も変わってくるかも知れません。パソコンやインターネットによって音楽が変わる。大げさに言うと,技術の変化が文化に影響を及ぼす,と言えなくもありません。テレビ等の場合もそうですが,この影響は軽視できません。どのような変化が起こるでしょうか。



 このレポートに対する問い合わせ等は,サイテックシステム 大坪までお願いします。

1999.9.9 Reported by http://www.cytechsystem.com/aboutus/index2.html

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