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サイテックジャーナル
2000年12月13日号


マトリックス ウイルス


 またウイルスが流行っています。「W32/MTX」というウイルスで「マトリックス」とも呼ばれています。いくつかのニュースによると,このウイルスが大流行した影響で,11月のウイルス発見届出数が過去最高となったそうです。

 このウイルスも最近のウイルス同様,メールで感染します。このウイルスに感染したパソコンからメールを送ると,相手には2通のメールが届きます。1通は通常のメール,もう1通は本文とタイトルが空白で添付ファイルだけのメールです。この添付ファイルにウイルスが潜んでいます。

 受信した人には,同じ人から2通のメールが届いたように見えます。送信した人が何か書き忘れたり,ファイルを添付し忘れたものと思い,2通目のメールも何の疑いもなく開きます。そして添付ファイルをダブルクリックします。はい,これで感染です。

 今年春に流行った「I love you」ウイルス(サイテックジャーナル2000年5月5日号参照)といい,今回のウイルスといい,人間の心理をうまく(?)利用したウイルスです。ひっかかってしまう自分がくやしくなってしまいますね。


 そして最近また新しいウイルスが発見されました。「W32/Navidad」というウイルスです。このウイルスは,受信トレイにあるメールに対してウイルスを添付して送信します。

 このウイルスに感染したパソコンでメールを受信すると,通常通り,まずそのメールは受信トレイに入ります。ウイルスはこの受信トレイに入ったメールにウイルスを添付して送信者宛にメールを送ります。最初にメールを送信した人から見ると,送られてきたメールは,自分が送ったメールに対する返信のように見えてしまいます。そして何の疑いもなくメールを開き,添付ファイルをダブルクリック。はい感染です。


 サイテックジャーナルでも何度も取り上げていますが,ウイルス感染はちょっとした工夫で防ぐことができます。

 メールによる感染が主な感染ルートになっている現在,これだけでかなり感染を防ぐことができるはずです。感染させようとする人も,いかにして添付ファイルを開かせようかといろんな工夫をしているようです。疑ってかかるのはあまり気持ちのよいことではありませんが,添付ファイルをダブルクリックする前に,もう一度そのファイルが安全かどうか考えるようにしてください。


●関連ホームページ

 ・サイテックジャーナル2000年5月5日号
   http://www.cytechsystem.com/journal01/20000505/index.htm 

Written by 大坪 和久


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