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サイテックジャーナル
2000年10月20日号


ネットでラジオ


 ご存じのように,インターネットでは様々な情報がデジタル信号で送られています。ホームページを見るということは,私たちは送られてきたデジタル信号に基づいて表示される画面を見ているのです。デジタル信号で送られる情報には,文字や,イラストや写真のような画像などがあります。動画も多く見かけるようになりましたね。音声もあります。何らかの形でデジタル信号に変換できるものであれば,何だって送ることができるのです。

 最近は,音の出るホームページも増えてきました。アクセスするとそのサイトのテーマソングが流れるサイトや,インディーズのアーティストが自分の作品を流しているサイトもあります。ニュースを発信しているサイトでは,テレビのニュース番組と同じように,音声と映像を流しているサイトもあります。


◆インターネットエクスプローラでラジオを聴こう

 もちろんラジオもあります。世界各国の多くのラジオ局が,インターネットでも番組を放送しています。各ラジオ局のサイトに直接アクセスしてもいいのですが,最近のインターネットエクスプローラ(以下,IE)には,ラジオを聴くための便利な機能が付いています。

 IEのメニューバーから「表示」,「ツールバー」を選択し,「ラジオ」を選択します。古いバージョンのIEにはこの機能はありません。新しいIEは,パソコン雑誌の付録に付いていますので,試してみたい人は,雑誌を買ってインストールしてください。

 「ツールバー」で「ラジオ」を選択すると,「ラジオ」とか「再生」等のボタンがあるツールバーが表示されます。表示されたツールバーから,「ラジオステーション」を選択し,「ラジオステーションガイド」を選びます。

 すると,インターネットでラジオ番組を放送しているラジオステーションのリストが表示されます。あとは,聴きたいラジオステーションを選択すればOK。番組を聞くことができます。

 電話をかけてインターネットに接続している人は,電話代やプロバイダー料金がかかるので気軽にBGMというわけにはいきませんが,フレッツIsdn等のいわゆる常時接続を利用している人であれば,24時間流していてもお金はかかりません。いつでも自由に世界中のニュースや最新音楽を聴くことができます。こんなところでも常時接続の重要性が分かりますね。



◆単なるラジオ放送にあらず

 ラジオステーションガイドで表示されるラジオステーションを見て分かるとおり,インターネットでラジオ番組を放送しているのは,普通のラジオ放送局だけではありません。上の画面でいえば,エイベックスはレコード会社ですし,インプレスは出版社です。他にもいろんな個性的な放送局がたくさんあります。

 インターネットラジオには他にも特長があります。電波を使った普通のラジオだと,電波が届かないところでは聞くことができません。しかしインターネットラジオは違います。世界中とつながったインターネットを使うので,世界中のラジオを聴くことができます。

 しかも,ラジオステーションガイドを使うと,聴きたいラジオステーションを簡単に選ぶことができます。リストの上にある「言語」を選べば各国の言語が選択できます。「国/地域」を選べば国や地域が,「ジャンル」選べば,クラシック,ジャズ,スポーツ番組,ニュース番組,対談番組,等のジャンルを選択することができます。

 日本にいながら世界中のラジオ番組を聞くことができるのです。ちょっとクリックするだけで「アンニョイハセヨ。ナンタラカンタラ ……」と,本物の外国語を聞くことができるのです。語学を勉強している人にとってはすばらしい教材になりそうですね。


◆通信と放送の違い

 パソコンを使ったデータの送受信のことを「通信」といいます。パソコン通信という言葉もありますね。ラジオは「放送」です。それではこのインターネットラジオはどうでしょう。「通信」なのでしょうか。それとも「放送」なのでしょうか。難しいですね。

 いろんなところで「通信」と「放送」の垣根がなくなってきているということがいわれていますが,インターネットラジオはその典型的な例です。今までの社会では,「通信」と「放送」は,それぞれ別の法律が適用されてきました。例えばラジオ局やテレビ局が電波を送信して番組を放送するためには,免許が必要です。電波法や放送法等に従って,申請等の手続きが必要です。一方,インターネットで情報を発信するには免許はいりません。会社で普通に仕事をしているあなただって,今日から簡単にインターネットラジオ局を開設することができます。しかも日本だけではなく世界中の人に聞かせることができます。受信可能範囲はNHKやTBSより広いのです。それでも免許も申請も登録も必要ありません。放送の性質を持っているのだけども法律上は放送ではないのです。インターネットラジオのようなものが出てくると,法律の適用が難しくなってきます。


◆音声を伝えられるということは...

 ところで,インターネットを使えば,ラジオのように音声を受信するだけではなく,こちらから音声を送信することもできます。音声を受信できて送信できるということは,会話ができるということです。音声で会話ができるということは,それはまさに電話です。そうです。インターネットを使って,電話だってかけることができるのです。

 ところで,インターネットは接続してさえいれば利用するのにお金は必要ありません。インターネットラジオも無料で聞くことができます。ということは,電話だってタダでかけることができる可能性があるわけで,実際にある方法を使えばタダで何時間でも話ができるわけで,さらに世界中とつながっているということは海外にだってタダでかけられる可能性があるわけで,実は私はタダでアメリカに電話をかけていたりするわけで,でもこんなことを書いているとNTTやKDDIの人に見つかったら大変なことになるかも知れないし,警察に見つかったらもっと大変なことになるかも知れないし...。

 でも,次号のサイテックジャーナルで紹介しちゃいます。お楽しみに(それまでに捕まったりしなければいいのですが...)。

Written by 大坪 和久


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